英語で「卒業生」はなんていうの?色々な言い方を比較解説

英語で「卒業生」はなんていうの?色々な言い方を比較解説 コラム
この記事は米UCLAグローバルスタディーズ出身のせんせーが教育や英語についてお話するエッセイ・コラムの一部です。

卒業生

今回は先日聞かれて仲間内で話題になった、英語での「卒業生」という表現についてまとめてみたいと思います。いま、季節は春。タイムリーなトピックですね。

英語で「卒業」といえばgraduateという単語を一番に思い浮かべますが、実は英語では卒業生の言い表し方にいくつかパターンがあり、注意が必要な表現のひとつです。

graduate

まずは馴染み深いこのgraduateという単語ですが、これも知れば知るほど奥が深い。動詞としてだけでなく名詞としても使うことができます。

動詞として使う場合は基本【自動詞】卒業するでしょう。どこから卒業するのかという学校名が後に続くことが多いので【前置詞】fromと一緒に見ることが多いはずです。「卒業する」という意味のgraduateは自動詞なので、直後に学校名を置かない点に注意しましょう。

He graduated UCLA.

He graduated from UCLA.

実はgraduateには目的語をとる【他動詞】卒業させるとしての側面もあります。ただその場合「卒業させる」という意味からも察する通り、目的語にくるのは基本「人」です。

UCLA graduates 10,000 students every year.

名詞としてのgraduateは「卒業生」

He is a graduate of UCLA.

graduate of 学校名はフォーマルでよく使われる表現ですが、この場合【前置詞】ofとなる点に注意しましょう。

上述の動詞の場合に使われる前置詞fromは、動詞としてのgraduateの「卒業する」という動作に対して、どこ「から」卒業するのかという意味を担う表現です。一方ofは、名詞の「卒業生」という状態に対して、どこ「の」卒業生かを表しています。

ちなみにundergraduateは「卒業の下=卒業前=学部生」となり、院生のことを英語ではgraduate studentといいます。留学生には馴染み深い言葉ですね。

同窓生

英語の「卒業生」にはgraduate以外にalumniという表現もあります。これはどちらかというと「同窓生」というニュアンスに近い気がします。日本語でも「卒業生」と「同窓生」という言い方があり、その意味合いや受ける印象は微妙に異なりますよね。

ただこのalumni実はちょっと特殊な単語で、日本の学校であまり触れられずに知らない高校生が多いのも、この特殊性のせいかもしれません。それが今回取り上げた理由であり、このトピックの目玉です。

alumniには仲間が居ます。以下にまとめていきましょう。

alumnus

卒業生(単数|男性)

He is an alumnus of UCLA.

alumna

卒業生(単数|女性)

She is an alumna of UCLA.

alumni

卒業生(複数|男性または男女混合)

We are alumni of UCLA.

alumnae

卒業生(複数|女性)

※日常ではあまり使わない

alum

卒業生(カジュアル|性別問わず)

She is a UCLA alum.

単語読み性別場面
alumnusアラムナス男性単数フォーマル
alumnaアラムナ女性単数フォーマル
alumniアラムナイ男性/混合複数フォーマル
alumnaeアラムニー女性のみ複数フォーマル
alumアラム性別問わず単数カジュアル

読みをカタカナで表記するのは、あまり好きではないのですが、今回は特別読み辛く、また比較のため例外的に書いておきました。正確な発音が気になる人は、ぜひ調べて聴き比べてみましょう。

考察・解説

ジェンダーニュートラルな視点から、近年はこうした性別による表現は好まれない傾向がありますが、読み物のなかではまだまだ目にする表現であり、使用しても問題ありません。ただ、このような用法をきちんと把握して使いこなす必要があります。

卒業生や同窓生という意味からも、どの単語も誇りと自負を秘めた響きがあります。最近ではあまり使われないalumnaeも、もとは女子校や女子大学の卒業生組織(同窓会)でよく使われる言葉でした。以前は日本でも男子校や女子校がたくさんありましたが、今はどんどん男女共学化しています。このような時代や世の中の流れも関係しているのかもしれません。

そのような流れのなか使いやすさから存在感を増しているのがalumnus/alumnaの略語であるalumです。少しカジュアルな言い方ですが、性別問わず表現できる点は時代に合っているといえます。

複数形のalumniは男女混合で使えるためまだまだ至るところで目にしますがalumを複数形にしたalumsも口語やネット上では使える表現です。

We are UCLA alums.

今度どこかで目にしたら思い出してみてください。読む場合は特に問題ないでしょうが、書く、使い分けるとなったら大変です。そのときは以上の要点を参考にしてください。

あとがき

今回はメンバーとの会話がきっかけで、記事にすべきトピックに出逢うことができました。また不意に母校のUCLAが多く登場する回でもありました。例文中に学校名を書くとき、短くて丁度いい。自分が大学を選ぶ時も、このスッキリとした名前が決め手でした。

例文中では可能な限り同じ表現を使い回すようにしています。文法を学ぶ際に例文をみることは非常に有効ですが、例文で用法を把握・比較して慣れていく際は、各文章の構造の違いを目立たせ集中できるように、それ以外の部分(単語など)は共通している方がいいです。

文構造把握において、例文は多様でない方がいい。巷の例文では、ここぞとばかりに様々な表現を詰め込みがちですが、何事も時と場合によります。目的によって、その時々で目にすべき英文は違うこと。ぜひ意識してみてください。

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